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マイスペックの幸福論

2秒で時速100kmまで加速する車とか、
人が生きられない深海で動く腕時計とか、
アラスカでも生活できるダウンとか、
オーバースペックな技術はぼくらを夢中にする。

試行錯誤を繰り返し辿り着いた“ホンモノの性能”
そこに至る開発ストーリー、
壮大なロマンはぼくらの胸を打つ。

でも最近のぼくは、
そんな素晴らしいものを身につける
“らしからぬ自分”に少し疲れた。

スペックにオーバーキルされている感覚が苦しい。

今は何かを買おうとするとき、
先人の教えが頭をよぎる

大は小を兼ねる
しかし
杓子は耳掻きにならず
そして
過ぎたるは猶及ばざるが如し
だと

愛用する道具の力を引き出したい。
考えが変わると世界が変わる。

ブランドやハイスペックを基準にしないだけで、
自分の必要充分を選択するだけで、
多くの個性や魅力に気づけるようになった。

「いやー良い買い物ができた」
マイスペックを充足する選択が叶うと、
その出会いに心も満たされる。

…あれ?

道具だけじゃなくて物事すべてがそうかも。

「理想ってなんだっけ」
「より良い生活ってなんだっけ」

ぼくらは何を追いかけているんだろう。

上を見て努力を続けてきたつもり。
必死に離さなかった向上心。
より良い環境を求めて変化を受け入れてきた。

成長のための取捨選択、
ソレが幸せに繋がると思いこんでいた。

「豊かさって何」
なんだか心がザワザワする。

故郷の両親に連絡をとった。

変わらず元気そうな声を聞けただけで、
なんだかすごく胸がいっぱいになった。

mhatti

mhatti

特定非営利活動法人らくさいライフスタイル代表理事。 京都市交流促進・まちづくりプラザの多目的室、トートひろばを運営したり。 トート阪急洛西口の北端コミュニティ花壇でお花の世話をしたりしています。

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